本物の楽器で『遊ぶ』
今回のテーマは、「本物の楽器で”遊ぶ”」です。 楽器で『演奏する』ではなく、『遊ぶ』という言葉に注目してください。
楽器は本来、演奏会や音楽の授業の合奏などで使用したりしますが、なかなか 普段の生活では触れる機会がないと思います。ピアノやバイオリンを習っていて、 家で弾くという方、あるいは吹奏楽部に入っていて、楽器を演奏した・・・という方もいるとは思いますが、全体を見ると少数派だと思われます。
さらに、そういった本物の楽器を使用して、自由に遊んでみたことはありますか? また、学校の授業の合間に、楽器で遊ばせてくれたことはありますか? おそらく、ほとんどの方は無いと思います。

【楽器は『遊ぶ』もの?】
まず、学校では、楽器は授業の特定の場面でしか触れさせてくれなかったと 思います。そして、おそらく楽器によって役割やリズム、人数などが決まって いて、『自由に』演奏させてくれるという機会はほとんど無かったのではないでしょうか?
また、習い事でピアノやバイオリンを習っていた、吹奏楽などの部活をやっていたという人も、先生の指示に従ってやっているだけで、それらの楽器で 『遊んだ』ということは少ないのではないでしょうか?
それもそのはず、楽器で『遊ぶ』と、学校の先生やピアノの先生、親に叱られてしまうんですよね・・・。「勝手なことしない!」とか「壊れるからダメ」とか「うるさい」とか・・・理由は様々だと思いますが、あんまり好き勝手楽器を触らせてくれる人は、稀だと思います。
また、楽器というものは、『楽譜通りに演奏する』もの・・・という意識が強く、 好き勝手音を出すこと自体に抵抗がある人もいると思います。

【楽器で『遊ぶ』と感性アップ!】
そこで私は、現在の職場で、『本物の楽器で遊ぶ』機会を多く設けるように心がけています。教室にあるブロックや積み木と同じ感覚で、『遊具』として扱えるような時間を設けています。
本物の楽器は、当然ながら美しい音なので、子どもの感性を存分に刺激します。そして、正しく扱わないとキレイな音も出ないので、自然と「どうやったらいい音が出るだろう?」と考えながら使うようになります。
もちろん、乱暴に扱うことだけはないように注意しています。『正しい扱い方』 だけは伝えて、『演奏の仕方』については何も伝えずに自由に鳴らしてもらっています。
具体的には、以下のような楽器を自由に触れられるようにしています。
打楽器・・・鈴、タンバリン、トライアングル、ウッドブロック、ミニシンバル、ギロ、 木琴、鉄琴、ボンゴ、和太鼓、ハンドベル、ドレミパイプなど
鍵盤楽器・・・アップライトピアノ、ミニ電子ピアノ
弦楽器・・・ギター、ウクレレ、(バイオリン・・・お古が音楽室にあるけど、まだ 子どもには使用させたことがなく、近々使用させてみたい!)
以上のような楽器を、一人で組み合わせて遊ぶ子どももいれば、知っている歌を歌いながら何人かと自由に鳴らす子もいれば、アップライト ピアノで好き勝手ジャンジャン音を鳴らす子もいます。
もちろん私も授業の中でリズムを指導したり、合奏の授業をすることもありますが、やはり自由遊びの中で身につける感覚には敵いません。 この『楽器で遊ぶ時間』を設けるようになってから、楽器の扱い方も丁寧になりましたし、強弱の変化など、いろいろな鳴らし方もできるようになっています。
これから子育てをする方、子育て真っ最中の方は、ゲーム機を買うくらいなら、同じ予算で買えるくらいの本物の楽器を買ってあげましょう(笑)。また、ピアノなど楽器を習わせている方は、課題曲が終わったら、自由に楽器で遊ばせてあげてくださいね!(近所からクレームが出ない程度に・・・笑)